産婦人科の検診

検診

子宮頸がん検診
子宮がんには頸部のがんと体部のがんがあり、日本では7割が頸部のがんです。
子宮頸がんは初期の段階では無症状です。がんになる前に発見するために定期的な検診が必要ですが、まだ検診率が低いのが現状です。
初期の頸がんは30歳代の前半に最も多く発生し、性行為でヒトパピローマウイルス(HPV)が感染して起こることが明らかになっています。
子宮頸がん検診で異常な結果が出た場合は、子宮頸がんを引き起こすハイリスクHPVの有無の確認や、子宮腟部拡大鏡(コルポスコープ)下に組織診を行う必要があります。子宮頸がんの手前の状態を子宮頸部異形成といいますが、軽度・中等度・高度の3段階に分けられます。軽度・中等度異形成であれば、自然に治癒する場合もありますが、高度異形成の場合は放っておくと子宮頸がんに進展していく可能性があります。当院では子宮頸部異形成の子宮頸がんへの進展予防のため、一定条件を満たした患者様に対し炭酸ガスレーザーによる治療を行っております。組織診で子宮頸がんと診断された場合は治療可能な病院に紹介させていただきます。
子宮体がん検診
子宮体がんの主な自覚症状は不正出血ですが、無症状の場合もありますので、閉経後の超音波検査で子宮内膜が厚い場合は検査を受けましょう。検査は子宮内膜の細胞診や組織診を行います。
卵巣がん検診
超音波検査で卵巣を検査します。卵巣がんは初期には自覚症状がないことが多いので、子宮がん検診のときに同時に卵巣もチェックすることをおすすめします。必要に応じてMRI検査と腫瘍マーカーの検査を追加します。
乳がん検診
乳がんは女性のがんの中で最も多く、最近日本では一生の間に約9人に1人が乳がんになると報告されています。自分で早期発見できることが多いので、月1回のセルフチェックを欠かさずに行いましょう。基本的にマンモグラフィーが必要ですが、50歳以下の方は乳腺の密度が高いので超音波検査も追加した方が見落としが少ないと言われています。
当院の超音波検査は
1.従来の単なる超音波診断装置ではなく、乳腺組織の硬さをカラーで表示するエラストグラフィー診断装置で行います。
2.マンモグラフィーと比べて痛みや放射線被爆の心配もなく、乳腺密度の高い20歳~50歳の方にも効果の高い診断法です。
大腸がん検診
大腸がんは女性のがんの中で2番目に多いものです。
ご自宅で便を採取するだけで簡単に検査できます。毎年の受診で大腸がん死亡率が60%減少することが報告されています。
特定健診
40~74歳の健康保険に加入しているすべての人々が対象です。メタボリックシンドロームを予防するための健診です。
レディース検診(自費)
これから結婚、妊娠、出産を考えておられる方のための検診です。子宮がん検診、超音波検査、感染症検査(淋菌・クラミジア、B型・C型肝炎、梅毒、HIV)、風疹抗体検査、ホルモン検査(卵巣、下垂体、甲状腺)、AMH(抗ミュラー管ホルモン)など、ご希望に沿った検査を行います。ご自身の健康状態を知ることで、よりよい妊娠環境を整えることができます。